月間相続ニュースコラム(1月号) 相続トラブルはなぜ増えているのか? 新しい年を迎える中で、相続トラブルの相談件数が年々増加している現状をご存知でしょうか? 以下の要因が大きく影響していると言われています。1.家族構成の多様化 核家族化や再婚家庭の増加により、相続人間の関係性が複雑化しています。 例えば、前配偶者との子どもと現配偶者との間で意見が衝突するケースが多く見られます。 2.不動産の分割問題 地価の高い都市部では、不動産の評価額が相続人間の公平な分割を難しくしています。 また、地方では売却が困難な土地を誰が引き継ぐかで揉めることが少なくありません。 3.遺言書の未作成 遺言書がない場合、法定相続分での分割が基本となりますが、遺産の分配に納得できない相続人がいると争いが発生しがちです。 解決策 •遺言書の作成: 公正証書遺言を活用することで法的効力を持たせ、トラブルを未然に防ぐことができます。 •家族間での事前話し合い: 生前に話し合いの場を設け、相続に対する各自の希望を共有することが大切です。 •専門家への相談: 弁護士や司法書士、相続診断士などの専門家に早めに相談することで、的確なアドバイスを得られます。
ケーススタディ:共有名義の不動産がもたらす問題 ある相談者の事例をもとに、共有名義の不動産がどのような問題を引き起こすかを見てみましょう。 事例 親から相続した不動産を兄弟3人で共有名義にした結果、以下の問題が発生しました。 •売却する際に、全員の同意が必要でスムーズに進まない。 •管理費用をめぐり、兄弟間で負担割合についての対立が生じた。 解決 •不動産の分割: 相続時に共有名義を避け、それぞれが単独名義で分割して所有する形を検討。 •共有名義の解消: 兄弟間で売却益を公平に分配することで合意し、問題を解決しました。 教訓 相続時に不動産を共有名義にすることは避け、将来的なトラブルを防ぐ方法を検討することが重要です。 月間アドバイス:相続時に考えるべき3つのポイント 1.資産内容を明確にする 不動産、預貯金、保険など、相続対象となる資産を事前に把握し、一覧表にまとめましょう。 2.信頼できる専門家を選ぶ 相続に関する手続きは複雑です。弁護士、税理士、不動産鑑定士などの専門家を交えた相談が不可欠です。 3.早めの準備がトラブルを防ぐ 相続は時間がかかることが多いため、相続発生前から準備を進めておくことで、負担を軽減できます。 まとめ 相続は、財産を次世代にスムーズに引き継ぐための重要な手続きです。 しかし、準備が不足すると親族間のトラブルを招くこともあります。 この機会に、家族で相続について話し合う時間を持ちましょう。 次号では、「相続放棄と限定承認の違い」について詳しく解説します。お楽しみに! この記事に関するご相談は、一般社団法人大阪府相続支援協会までお気軽にどうぞ!
