月間相続ニュースコラム(5月号) 相続手続きのスケジュールと注意点 相続手続きは期限が定められており、計画的に進めることが求められます。 手続きをスムーズに進めるためには、期限ごとにやるべきことを把握しておくことが大切です。 今月は相続発生から完了までの流れを解説します。相続手続きの基本スケジュール 1.相続発生直後(1か月以内) •死亡届の提出: 市区町村役場に死亡届を提出します(7日以内)。 •葬儀費用の整理: 葬儀費用は領収書を保管し、遺産分割の際に考慮します。 •相続人の調査: 被相続人の戸籍謄本を取り寄せ、相続人を確定します。 2.3か月以内:相続放棄や限定承認の選択 •相続放棄または限定承認を行う場合、家庭裁判所への申請が必要です。 •注意: この期限を過ぎると相続を承認したとみなされます。 3.4~10か月以内:相続税の申告と納税 •遺産分割協議: 相続人全員で遺産分割の方法を話し合います。 •相続税申告: 相続開始から10か月以内に税務署へ申告し、納税を行います。 4.10か月以降:相続手続きの完了 •不動産の名義変更や預貯金の分割を進めます。 •必要に応じて相続財産の管理や活用を行います。 注意点:期限を守らないとどうなる? 相続手続きの期限を守らないと、以下のような問題が発生する可能性があります。 1.相続放棄ができなくなる 負債がある場合でも、3か月を過ぎると自動的に承認とみなされ、借金を引き継ぐことになります。 2.相続税の延滞税 相続税を期限内に申告・納税しないと延滞税が発生します。さらに加算税が課される場合もあります。 3.遺産分割協議の長期化 手続きが遅れると、相続人間の意見が対立し、協議が長期化するリスクがあります。
ケーススタディ:遺産分割協議の失敗例 事例 Aさんの家族では、父親の遺産について兄弟間で話し合いを進めていましたが、 不動産の分割方法で意見がまとまらず、10か月が経過。 その結果、相続税の申告が間に合わず、延滞税が発生しました。 解決策 •専門家(弁護士や税理士)を交えて協議を再開し、不動産の売却益を分割する形で合意。 •延滞税の負担を軽減するため、速やかに申告書を提出しました。 教訓 相続税の申告期限を意識し、遺産分割協議を早めに進めることが重要です。 月間アドバイス:手続きをスムーズに進めるために 1.必要書類を早めに準備する 相続手続きには多くの書類が必要です(戸籍謄本、遺産分割協議書など)。事前に準備を進めましょう。 2.専門家を活用する 手続きが複雑になりそうな場合は、司法書士や税理士に相談することでスムーズに進められます。 3.家族で話し合いの場を設ける 早めに話し合いを行い、全員が納得できる形を目指しましょう。 まとめ 相続手続きは期限を守りつつ、計画的に進めることが大切です。 特に、3か月以内の相続放棄や10か月以内の相続税申告など、重要なポイントを意識しましょう。 次号では、「土地や建物の相続で起きやすいトラブルとその対策」について詳しく解説します。 この記事に関するご相談やサポートのご希望は、 一般社団法人大阪府相続支援協会までお気軽にお問い合わせください!
