活動レポート

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月間 相続ニュースコラム


月間相続ニュースコラム(7月号)

再婚家庭における相続のポイントと注意点

現代では再婚家庭が増加しており、相続においても特有の課題が生じることが多くあります。
再婚家庭では、前配偶者との子どもと現配偶者、さらには再婚後の子どもが絡む複雑な相続関係が発生することが珍しくありません
今回は、再婚家庭特有の相続トラブルとその対策について解説します。



再婚家庭で起きやすい相続トラブル
	
1.前配偶者との子どもとの分割問題
再婚前に子どもがいる場合、その子どもには法定相続分があるため、
現配偶者や再婚後の子どもとの間でトラブルが起きやすいです。


•前配偶者との子どもが「財産の公平な分割」を要求。
•現配偶者が生活費の確保を優先し、対立が発生。
	
2.遺産分割の不公平感
特に、再婚後に形成した財産がどの相続人に配分されるかが不明確だと、不満が生じる可能性があります。
	
3.遺言書の不備による混乱
遺言書がない場合、法定相続分に基づいて分割されるため、再婚家庭特有の事情が反映されにくいです。

再婚家庭における相続対策
	
1.遺言書を作成する
再婚家庭では、遺言書の作成が特に重要です。以下を明確に記載しましょう

•誰にどの財産を相続させるか。
•特に生活の基盤を守るために、現配偶者の相続分を明示。
•前配偶者の子どもへの配慮を反映。
ポイント:公正証書遺言として残すことで、法的効力を確保できます。
	
2.生命保険を活用する
生命保険金は「受取人固有の財産」として扱われるため、
遺産分割協議の対象外になります。受取人を設定することで、特定の相続人に財産を確実に渡すことが可能です。
	
3.生前贈与を検討する
再婚家庭では、特定の相続人に早めに財産を贈与することでトラブルを回避しやすくなります。ただし、贈与税に注意が必要です。
	
4.専門家のサポートを活用する
再婚家庭の相続は複雑になりやすいため、弁護士や税理士など専門家に相談し、適切なプランを立てましょう。

ケーススタディ:再婚家庭での相続問題

事例
Aさんは前配偶者との間に1人の子ども(長男)がおり、再婚後の配偶者(現妻)との間に2人の子どもがいました。
Aさんが遺言書を作成しなかったため、相続発生後、以下のトラブルが起きました

•長男が法定相続分を主張し、現妻との協議が難航。
•現妻が生活費確保を優先し、不動産の売却を拒否。

解決策
弁護士を介入させ、長男に現金での相続分を支払い、不動産を現妻が引き継ぐ形で合意しました。

教訓
•遺言書や生前贈与を活用して、相続方針を明確にすることが重要。
•再婚家庭特有の事情を考慮した計画が必要です。



月間アドバイス:再婚家庭の相続で準備すること
	
1.家族間での話し合いを重視する
再婚家庭では、家族全員が納得できる形を目指して、定期的な話し合いを行いましょう。
	
2.相続財産を明確化する
前配偶者の財産、再婚後の財産などを区別し、共有しておくことが大切です。

3.専門家に早めに相談する
相続に関する複雑な問題を解消するため、信頼できる専門家の意見を取り入れることをおすすめします。

まとめ

再婚家庭の相続はトラブルが発生しやすいため、早めの準備と明確な相続方針が欠かせません。
この機会に、家族で相続について話し合い、適切な計画を立てましょう。

次号では、「海外財産の相続手続きと税金」について詳しく解説します。お楽しみに!

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