活動レポート

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不動産トラブルに関するコラム


“測量図ではOK”でも再建築できない!?

~通路の一部が2mを切るとアウトになる「接道」の落とし穴~

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新築や建て替えの際、重要なチェックポイントの一つが「接道義務」です。
都市計画区域内では、建物を建てるには、原則として幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接していることが必要とされています(建築基準法第43条)。

でも実は、「間口だけが2mあればいい」と思っていた方は要注意。
通路の途中で1箇所でも2m未満になっていると、それだけで再建築が認められないケースがあるのです。

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■ ケース:通路が手前は2.01m、でも奥が1.93m!?

ある方が購入した旗竿地(いわゆる通路型敷地)。
測量図には「間口2.01m」と明記されており、購入前の説明でも「再建築可能」と聞いていたそうです。
しかし、いざ建て替えを申請すると、建築審査課からまさかのNG判定。

理由は、通路の奥の方で幅が1.93mに狭まっていたから。
つまり「一部でも2mを切るとダメ」というルールに引っかかったのです。

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■ なぜ間口だけじゃダメなのか?

建築基準法で求められる「接道2m」は、単に道路に接している部分の幅ではなく、
建築予定地までの通路が“常に2m以上の幅”を確保していることが条件。

通路の途中に
	•	塀や門柱
	•	電柱・水道メーター
	•	斜めに差し込んだ構造物
などがあって実際の有効幅が2m未満になっていると、再建築不可になる可能性が高いのです。

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■ 測量図や登記図だけではわからないことも

とくに古い測量図や、簡易な図面には現況の寸法や障害物の位置が正確に反映されていない場合があります。
「測量図で2m以上あるから安心」と思っても、実際の現地で有効幅を測ってみると、想定より狭くなっていることが珍しくないのです。

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■ トラブルを防ぐには?
	1.	必ず現地で“通路全体”の幅を実測する
 → 入口〜敷地奥まで、すべての箇所で2mを下回っていないか確認
	2.	地面レベルの障害物にも注意
 → ブロック塀・メーター・車止めなどが出っ張っていないか
	3.	土地家屋調査士や建築士に“有効幅”の確認を依頼する
 → 市区町村によって判断基準が異なるため、専門家の意見は重要です

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■ まとめ:通路は「2m以上」が“ずっと”続いていないとNG!

土地購入や建て替えのとき、「通路の入口は大丈夫そう」と安心してしまいがちですが、
一部でも2mを切ると再建築不可になるケースがあるということを、ぜひ覚えておいてください。

図面と現地には、微妙なズレがある。
不動産の安心は、“数センチ”の確認から始まります。

不動産に関してのお悩みは一般社団法人大阪府相続支援協会へご相談ください。