活動レポート

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不動産トラブルに関するコラム


見た目は道路でも、図面では“道路じゃない”!?

~位置指定道路の“途中まで”に注意!再建築不可になる可能性も~

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きれいにアスファルト舗装され、電柱や側溝も整っている。
「どう見ても普通の道路に接している」そう思って購入を決めた住宅が、
いざ建て替えようとしたら「再建築不可です」と言われる——。

そんなケースが、意外と身近にあるのをご存じでしょうか?

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■ キーワードは「位置指定道路」

建築基準法上の道路には、いくつかの種類がありますが、
その中で注意が必要なのが「位置指定道路(いちしていどうろ)」です。

これは、私道などを建築基準法上の道路として使用できるよう、
特定の長さ・幅・接道条件を満たして“位置指定”を受けた道路のこと。

ところがこの「位置指定道路」、途中までしか指定されていないケースがあるのです。

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■ ケース:現地は舗装されているのに、図面では“接道していない”?

ある住宅地の一角に建つ中古住宅。
前面にはアスファルトの道路があり、普通に車の出入りもできる状態。
一見すると、明らかに「道路に面している」ように見えます。

しかし、市役所で位置指定図面を取り寄せて確認すると、
位置指定道路はその“手前数メートル”で終わっており、該当物件までは延びていなかったのです。

つまり、現況では接道しているように見えても、
図面上では建築基準法上の道路に接していない=再建築不可物件ということになります。

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■ なぜこうしたズレが起こるのか?
	•	もともとの申請時に、道路指定が一部までで終わっていた
	•	開発が途中で止まり、残り部分が位置指定を取られなかった
	•	隣接者との合意が取れず、指定延長できなかった
	•	舗装や整備はされていても、“法的には道路と認められていない”状態

こうした事情から、見た目では「接道しているように見える」けれど、法的にはNGというズレが生まれるのです。

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■ 再建築できるかどうかを見極めるには?
	1.	位置指定道路の「図面と範囲」を必ず市区町村で確認
 → 現況ではなく、あくまで図面でどこまで指定されているかが重要
	2.	建築士や土地家屋調査士など、専門家に調査を依頼
 → 現地確認+法的確認をセットで行うのがベスト
	3.	「現況接道に見えるから大丈夫」は絶対にNG!
 → 土地購入時、必ず「法的接道か」「再建築可能か」の事前確認を!

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■ まとめ:「目に見える道」が“使える道”とは限らない

舗装がある=道路ではない。
接道しているように見える=接道しているとは限らない。

こうした“法と現実のズレ”は、不動産購入時における重大な落とし穴です。
特に中古物件や旗竿地・私道利用地では、位置指定道路の確認が必須です。

購入前に、必ず「図面で」道路を確認するクセを。
数千万円の不動産を「思い込み」で買って後悔しないために

不動産トラブルでお困りの方は一般社団法人大阪府相続支援協会へお気軽にご相談ください。