「うちは分けるほど財産ないから大丈夫」の嘘
介護現場でご家族と面談をしていると
「相続の話なんて、資産家の方だけでしょ?
うちは普通のサラリーマン家庭やし、揉めるほどのお金なんてありませんよ」
と笑っておっしゃる方を多く見かけます。
しかし、裁判所の統計を見ると驚くべき事実が浮かび上がります。
実は相続争いの約3割が、遺産額「1,000万円以下」の家庭で起きているのです。
5,000万円以下まで含めると、なんと全体の約7〜8割を占めます。
なぜ、資産が少なくても揉めてしまうのでしょうか?
それは「分けにくい財産」が原因であることが多いからです。
介護現場で起きる「不動産」という爆弾
最も多いパターンが、「遺産のほとんどが自宅(実家)」というケースです。
-
兄は「親を最期まで預かった施設代を払うために、実家を売りたい」
-
妹は「思い出の詰まった実家を残しておきたい」
-
弟は「法律通り、家を売って3等分の現金でほしい」
たった数百万円の取り分を巡ってこれまで仲の良かった兄弟が絶縁
施設にいる親のケアプランの同意が得られなくなったり
面会に誰も来なくなったりする。
そんな悲劇が、大阪のどこにでもある「普通の家庭」で起きているのです。
介護職にしかできない「事前の気づき」
ご家族が「うちは大丈夫」と言っているときこそ、実はリスクが潜んでいます
ケアマネジャーや相談員の皆様が、雑談の中でこんなサインに気づいたら要注意です。
-
「兄弟間で、介護費用の分担が曖昧」
-
「親の通帳を管理している人が、他の親族に収支を報告していない」
-
「家だけは誰かが継ぐだろうと、根拠なく思っている」
そんな時は、こうアドバイスしてみてください。
「実は、財産がシンプルなお家ほど、分け方で意見が食い違うことが多いんです。
お父様の意識がはっきりされている今のうちに
一言でも『遺言』や『お手紙』を残しておいてもらうと、ご兄弟の絆を守ることになりますよ」
「安心」をデザインする専門家の力
「争族」が始まってしまうと、私たちは法律の枠組みでしか動けません。
しかし、介護現場にいる皆様が早めに気づき
私たちに繋いでくだされば、「円満な解決策」を一緒に作ることができます。
「お金がないから揉めない」のではなく「準備があるから揉めない」のです。
利用者様の心穏やかな余生と
ご家族のその後の笑顔を守るために。
今こそ、一歩踏み込んだ「終活」の提案を始めてみませんか。